
■海外担当
海外については、私自身が全面的に担当しているというより、本社と工場で役割を分けながら対応しているような形です。工場では営業をほぼすべて私が担っているのですが、海外輸出の手続きや案件によっては東京本社が主導したほうがスムーズな部分もあり、そこは社内でうまく分担している状況です。本格的な輸出に入ってまだ1年ほどなので、まだ仕組みそのものを整えている最中という感覚が強いですね。私としては、海外の方がどういう文化で醤油を受け取るのか、どんな味や香りが好まれるのか、そのあたりをもっと知る必要があると感じていますし、いまは実際に出展しながら学んでいる段階です。
■これまでの海外展開と課題について
海外展開については、ここ1年ほどでやっと本格的に動き出したような状態です。FDA登録など時間のかかる準備を経て、最近ようやく輸出が増えてきたところで、農水省の補助金を使って展示会に出展したことも追い風になりました。ただ、現状の最大の課題として、自社の商品がどの国と最も相性が良いのかまだ見極めきれていない点があります。国ごとに醤油の用途や文化が違いますし、私たちが作っている木桶醤油の特徴が、どこで一番響くのかが見えていないんですね。本来であれば、国を絞り込んでその地域で求められる味やボトルの仕様を考えたり、新商品開発に落とし込みたいのですが、今はまだそこまで明確な指針を作れていません。そのため、現段階では国を決めずに、色々な地域で反応を見るという試行錯誤の途中にあります。
■メタバース展示会の案内を受けたときの第一印象
メタバース展示会のお話を最初にいただいた時は、正直なところ興味と不安が半々という感覚でした。リアルの展示会でさえ準備が大変なのに、オンラインの仮想空間でどうやって商品を見せるのか、自分が操作についていけるのか、そういう不安が頭をよぎりました。ただ、一方で、海外に行かずに世界のバイヤーの方と接点が作れるというのは大きな魅力で、その点にはすごく心が動きました。また、担当の方が丁寧にフォローしてくださっていたので、初めてでもなんとかなるかもしれないと思えたのも大きかったですね。出展商品を選ぶ際も、どの国の方が見ても理解しやすいように、アルコールを含まないたまり醤油を中心に据えたのですが、オンラインなら商品の特徴をどう伝えるかが重要になってくるので、その点はかなり慎重に考えました。
■出展してみての感想
実際に出展してみると、やはりメリットと課題がどちらもはっきり見えた展示会だったと思います。まず、現地に行かなくても海外のバイヤーとつながれるというのは、想像以上に大きな利点でした。サンプルリクエストも数多くいただけたので、バイヤーの方々がブースをじっくり見てくださっていたのが分かり、やってみてよかったと感じています。一方で、こちらからメールを送っても返信が止まってしまうケースが多く、成果に直結するところまではまだたどり着いていません。また、海外の方にも伝わる資料や動画の量が圧倒的に不足していたという課題にも気づきました。特に動画は複数パターン必要だなと痛感しましたね。メタバース自体に入る時間が思うように取れず、バイヤーアプローチ機能を使いきれなかったことも反省点です。ただ、新しい形に触れること自体が大きな学びになりましたし、まずはやってみないと分からなかったことばかりでした。

